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愛しては、ならない
第39章 愛憎④


「私の魅力って何よ」


「ん――そうだな――

可愛くて、おっぱいが大きなところ?」



彼は、そう言いながら菊野を思い浮かべていた。

――そうだ、そう言えば菊野もそうだな、と心の中で呟いた。




「……そういう事じゃなくてっ……

彰、女たらしの癖にもっと私が気持ち良くなる事を言えないの?」


「うわあ、そんなにハッキリ言われると傷付くなあ」




彼女は明らかに苛立っていた。

森本の上に跨がると、彼の顎を掴み上を向かせ、命じるように言った。



「私の事、可愛いって言ったわよね」


「うん。言ったね」


「菊野さんよりも?」


「……」



真剣で、思い詰めた瞳ですがるように見る彼女に菊野が重なり、彼は黙る。

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