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私の執事さま
第2章 バースデーパーティ
私から抱きついたりキスをすることはあっても、誠君から今までキスをされた事は一度もなかった。
兄弟のような関係なのだから深い意味はなく、挨拶のようなものだけれど。
……初めての事に戸惑い、顔が火照って行くのが分かる。
「行きましょう、玲奈お嬢様」
「え、ええ……」
黙って見ていた咲夜から話し掛けられると、私は誠君の体から離れ、歩き出す。
二階へ向かい階段を上る間も、キスをされた場所の熱がひくことはなかった。
誠君がポツリと呟いた言葉も、
「俺のものになってくれるよね? 玲奈」
聞こえはしなかった。