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私の執事さま
第2章 バースデーパーティ
「何でっ……咲夜……」
一気に火照る体からは熱い息が漏れ、何度も繰り返される首筋への口付けは更に熱を煽り、抵抗する力を奪う。
チュッチュッと響くリップ音が咲夜から口付けられていることを実感させると同時に、全身に甘い感覚を与える。
強引なこの状況が怖い筈なのに……。
咲夜からのキスが嬉しくて、体も心も咲夜を求め始める。
こんな私の気持ちを咲夜は知らずに突然顔を私の首元から離すと、
「……お嬢様は私を弄ぶつもりですか? 私以外の異性に媚びる軽い女に教育した覚えはないんですが」
再び冷酷な瞳で私を見据えた。
こんなに怒っている咲夜を見たのは初めてで、私は戸惑いを隠せない。
「私媚びてなんか……」
恐る恐るそう否定しようとすると途中で言葉を阻まれ、
「扉に両手をつきなさい」
その言葉にも、驚くしかなかった。
扉に両手を押さえつけられたまま、目を見開く。
そんな私に咲夜は続けて冷たく言い放つ。
「命令です」
私に拒む権利はないとでも言うかのように冷淡に見据えられ、私は咲夜から視線をそらしながら大人しく頷くしかなかった。
「っ……分かったから……」