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セフレの彼は幼なじみ
第7章 絵莉花
 智孝もうなだれながら、ポツリポツリと言葉を絞り出すように話している。

「僕も同じ気持ちだ……。ああ、陸翔が本当に良いヤツだからこそ、こんなに苦しいんだと思う。例えば、僕の友達の中でも……授業サボり魔や、暴れん坊の悪友たちが、絵莉花と付き合ってるというなら、僕にだって幾らでも付け入る隙はあるんだけどなぁ……。そんなときは、僕がきっと邪魔をして、絵莉花をそいつらの毒牙から救い出すんだけども。でも、相手が陸翔だからなぁ……。正直、陸翔は本当に性格が良くて、彼ならきっと絵莉花を幸せにするに違いないと本気で思えるから……。多分きっと、僕よりも……。だからこそ、ツラいんだ……」

 陸翔に対する智孝の高評価が嬉しい反面、どこか複雑な感情を抱く菜那美。

 智孝のようなしっかりした人が本気で好きになる相手だという、絵莉花という子は、「きっと良い子に違いない」と菜那美は確信していた。

 少し前までは絵莉花のことを、「ルックスはすごい美少女だけど、性格があまり良くなく、高飛車なお嬢様」みたいな子だと、菜那美は勝手に想像していたのだが。

 しかし、陸翔と二人で歓談する様子を見、さらに「智孝が好意を寄せる相手」ということも考え合わせると、どうも自分の想像が外れていたらしいということを認めざるを得ない菜那美。




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