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セフレの彼は幼なじみ
第12章 菜那美の母
 しかし、陸翔は顔色一つ変えずに答えた。

「大学は、『やりたいこと』や『学部』で選んだ方がいいので、どうなるかは分かりませんね」

 菜那美は、「陸翔は優しいから、ここでは言葉を濁してくれたんだ」と内心思った。

 実際、彼女がいるのに、あえて菜那美と同じ大学を選ぶ理由はないだろうということは菜那美にも分かっている。

 彼女と同じ大学、ならまだしも。

 少し残念そうな菜那美の母が言う。

「そっかぁ、仕方ないわよねぇ。ごめんね、変なこと言って」

 すかさず母に言う菜那美。

「そうそう、いくら親しい仲だからって、そんなこと言い出すの、失礼だよ」

「まぁまぁ、いいじゃないか。おばさん、俺は全然気にしてませんので」

 鷹揚に笑って言う陸翔。

 安心したかのような微笑みを浮かべ、菜那美の母がドアの方へ向かいながら言った。

「ありがとう。勉強の邪魔をしてごめんね。頑張ってね」

 そして、ドアを閉め、菜那美の母は去っていった。




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