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セフレの彼は幼なじみ
第13章 共同戦線
 智孝は言葉を続ける。

「でもね、一応あの二人を騙すことになるわけだから、心苦しいし、ちゃんと期限を決めておこうと思ってね。8月5日に夏祭りと花火大会があるの知ってるかな?」

「うん。去年までは、陸翔と一緒に行ってたよ。もちろん、二人っきりじゃなくて、他の友達も一緒の時もあったけど」

 楽しかった思い出を脳裏に浮かべる菜那美。

「鷲沢さんもそうだったかぁ。僕もずっと絵莉花と一緒に行ってたよ。でね、その夏祭りアンド花火大会へ行くということを、最大目標にしようと思うんだ。そして、あわよくばそれまでの間にもう一回、行き先はどこでもいいからダブルデートできれば御の字じゃないかな。あまりダラダラと、付き合うふりをし続けるのは、よくないかなと思って。騙して心苦しいだけじゃなく、例えば他の人にも説明しないといけなくなったり、付き合う演技を事前に打ち合わせしないといけなくなったり、色々と面倒そうだからね。あと、多分だけど、鷲沢さんと僕が付き合ってるふりをしたところで、あの二人に揺さぶりをかけられるかといったら、そんなことはないと思うんだ。そのぐらいのことで気持ちが揺れるくらいなら、絵莉花と僕はとっくの昔に、もっと関係が進展してるはずだし。そっちの面では期待できないだろうね」

 菜那美は首肯し、同感だという意思を示した。




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