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第2章 満員電車にて

　陸翔に約９年もの間、片思いを続けている菜那美にとっては、経緯や理由はともあれ、こうした展開になったことで、夢見心地の気分だった。

　胸のときめきが抑えきれない菜那美。

　一途に想いつづけている相手である陸翔の胸に顔をすり寄せ、お尻に手を当ててもらいながら、菜那美は至福の時間を味わっていた。

　とっくに不安や恐怖は雲散霧消し、安心感と幸福感が菜那美を包み込んでいる。