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セフレの彼は幼なじみ
第21章 夏祭り
 絵莉花が菜那美に言う。

「菜那美さん、これからも仲良くしてくださいね」

 そこで智孝が口を挟んだ。

「ところで、なんで絵莉花と菜那美ちゃんは、いつまでも敬語なの?」

 絵莉花と菜那美は顔を見合わせて、「あ」と同時に言う。

 二人とも柔らかな表情のまま。

 陸翔がフォローするかのように言った。

「まぁ、そのあたりがこの二人らしいところだろ、智孝。絵莉花だけじゃなく、菜那美にもまた、礼儀正しいところがあるし。で、絵莉花と智孝には申し訳ないけど、俺は早く菜那美と二人っきりになりたいから、そろそろいいか?」

 智孝が楽しげな笑顔で答える。

「確かに。二人らしいかも。そして、今みたいな、歯に衣着せぬ物言いもまた、陸翔らしいかも」

 絵莉花も「確かに」と何度も繰り返して、笑顔で頷いていた。

 苦笑して言う陸翔。

「なんだよ、二人して納得して。まぁ、俺のことはどう思ってくれてもかまわないぞ。さて、そろそろお開きにしようぜ。二人ともホントにありがとな。またな」

 他の三人も口々に、「ありがとう」と「またね」の挨拶を交わす。

 そして、2つのペアに分かれて、別々の方向へ歩き始めた。




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