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セフレの彼は幼なじみ
第4章 智孝と菜那美
智孝が言う。
「そっか……鷲沢さんも同じ思いを……。お互いキツイけど、頑張っていこう。何というか……僕、本心では……あの二人に別れてほしいんだ。でも、そんなこと思うだけでも、何だか……心苦しいじゃん。親友と幼なじみの破局を願うとか、僕はどんだけヒドイやつなんだってね」
自嘲気味に笑う智孝。
だが、菜那美には智孝の気持ちが痛いほど分かった。
「私にも気持ち、分かるよ……。うん、思っちゃいけないことってことも分かってるけど……。それでもやっぱり陸翔が好きだから、付き合いたいし……」
「だよね……」
二人の間を沈黙が包む。
しばし間があって、智孝が立ち上がって言った。
「ふう……お互いきついね。でも、鷲沢さんに話せて、少し気が楽になったよ。ありがとう」
「私も。こちらこそありがとう」
「いえいえ、呼び出したの、こっちだし。わざわざごめんね。また話、聞いてくれる?」
「もちろん。私の話も聞いてもらうことになっちゃうけど」
「そうだね。お互い話し合うことで、少しでも心を軽く出来ればいいな。それじゃ、戻ろっか。一緒に戻ると、あらぬ誤解を受けそうだから、僕は少し遅れて行くよ。じゃあ、またね」
智孝の気配りに感謝しつつ、菜那美は「またね」と言ってその場を離れ、教室へと戻った。
「そっか……鷲沢さんも同じ思いを……。お互いキツイけど、頑張っていこう。何というか……僕、本心では……あの二人に別れてほしいんだ。でも、そんなこと思うだけでも、何だか……心苦しいじゃん。親友と幼なじみの破局を願うとか、僕はどんだけヒドイやつなんだってね」
自嘲気味に笑う智孝。
だが、菜那美には智孝の気持ちが痛いほど分かった。
「私にも気持ち、分かるよ……。うん、思っちゃいけないことってことも分かってるけど……。それでもやっぱり陸翔が好きだから、付き合いたいし……」
「だよね……」
二人の間を沈黙が包む。
しばし間があって、智孝が立ち上がって言った。
「ふう……お互いきついね。でも、鷲沢さんに話せて、少し気が楽になったよ。ありがとう」
「私も。こちらこそありがとう」
「いえいえ、呼び出したの、こっちだし。わざわざごめんね。また話、聞いてくれる?」
「もちろん。私の話も聞いてもらうことになっちゃうけど」
「そうだね。お互い話し合うことで、少しでも心を軽く出来ればいいな。それじゃ、戻ろっか。一緒に戻ると、あらぬ誤解を受けそうだから、僕は少し遅れて行くよ。じゃあ、またね」
智孝の気配りに感謝しつつ、菜那美は「またね」と言ってその場を離れ、教室へと戻った。