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セフレの彼は幼なじみ
第1章 約9年前、遊園地にて
 突然、菜那美のすぐ横から、大音量と共に、お化け役スタッフが飛び出してきた。

 菜那美が驚倒したのは言うまでもない。

「きゃー!!」

 思わず、隣の陸翔に思いっきり抱きついていた菜那美。

 グッと密着する二人の身体。

 しかしハッと我に返った菜那美は、あからさまに不自然な様子で身体を離す。

 恥ずかしさに顔を赤らめて。

「ご、ごめん……!」

 菜那美はすぐに陸翔に謝ったが、陸翔の表情には特に変化はなかった。

 陸翔が答える。

「気にしなくてもいいって。僕はこういうホラーとかお化けとか平気でむしろ好きな方なんだけど、今のみたいにいきなりびっくりさせるのは困るな。誰だってびっくりするぞ。こういうの、ホラーとはかけ離れてる気がして、楽しめないなぁ。純粋に、ゾクゾクするような怖さが体験したいのに」

 陸翔も仕草や表情にはあまり出していなかったが、どうやら驚いてはいたらしい。

 菜那美が文句を言う。

「ちょっとぉ~! ゾクゾクするようなのも嫌だってば!」

「菜那美はどっちも嫌いか」

 陸翔はそう言って、笑った。

 滅多に見られない陸翔の笑顔が見られて、ちょっと驚く菜那美。

 すると、陸翔が続けた。




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