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刑事とJK
第92章 新たな命
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病院に着くと、ゆうひはすぐさま運ばれて行った
斉藤も一緒についていく
「旦那さんは、奥さんの手をしっかり握っておいて下さい!!」
「は、はい!!」
看護師の迫力に、斉藤も敬語になる
斉藤はギュッとゆうひの手を握った
子供は無事生まれてくるのか…?
ゆうひは大丈夫なのか…?
オレは今、何にもできねぇのか…?
「…ゆうひ…」
斉藤はただ祈った
『ふっ…ふぅうぐぅ…』
…出産って…痛ぇんだよな…
ゆうひ…頑張ってくれよ…
握っていた手は、もう汗でびっしょりだった
「大丈夫だ…大丈夫だ…大丈夫だ…」
こうでも言って気持ちを落ち着けないと、今にも自分がこの場から逃げ出してしまいそうだった
「大丈夫…大丈夫…!!」
どれくらい時間が経ったろうか…
それはそれは長い時間、この場にいた気がする
「ゆうひ、大丈夫だ!!
頭見えて来たからよぉ!!」
『あぁあ゙あ…!!!』
ゆうひの悲痛な声を聞いていると、頭がおかしくなりそうだった
「頑張ってくれ…もうちょいだから…!!」
ゆうひが力強く手を握ると、こっちもさらに握った
痛ぇなんて、全然思わねぇ…
今のゆうひの方が、ずっと痛ぇ思いしてるし、頑張ってんだ…