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刑事とJK
第46章 点を結ぶと
「啓太さん、今書いてる論文は発表しないの?」
「ああー、あんなの全然ダメだよ。ぼつぼつ」
「…もったいない
あたしだけあんなすごい物を読ませてもらって、申し訳ないわ…」
雪乃は、昼寝しているゆうひのお腹を
優しく叩いた
「この子も3才になって、少し落ち着いてきたし…
また仕事の方にも熱を入れていいんじゃない?」
「…君が、そう言うなら…」
啓太は論文を発表した
これがものすごい評判を呼び、
啓太はしばらく有名人になった
ただ、このメディア関係に
家族のことは取り上げられたくなかったので
姓を適当に"染谷"と変えて発表したのだった
しかし、この発表は啓太にとって失敗だった
「また…これだ」
啓太は手紙の山を床にばらまいた
「啓太さん…」
雪乃は心配そうな顔をしている
論文発表の後、有名になったために、
テレビの企画か何かでIQを計測させられた
ただ、その数字が220という異常さに、
周りはさらに騒いだ
表にはなってないが、
啓太本人のところには
海外からのオファーの手紙まで届く始末…
「これが、人を殺す道具作りのための研究じゃなければ、
喜んで受けるのに…」
「…ゴメンなさい、あたしのせいよね…」
雪乃は泣いた
「いや、雪乃のせいじゃないよ…
こっちこそイライラしてごめんね」
しかし、啓太の頭脳を狙って様々な…
脅迫に近い手紙まで届いた
恐怖とストレスで、
啓太には限界が来ていた
恐怖…特に、家族に何かあったらと思うと
苦しくて
苦しくて
「雪乃…」
「…どうしたの?」
啓太は雪乃に抱き着いた
「逃げよう…もう僕は…堪えられない…
ゆうひと、3人で…逃げようよぉ…」
「啓太さん…」
雪乃は、言った
「ゆうひのことを考えるなら…
逃げたらダメよ」