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刑事とJK
第46章 点を結ぶと
「逃げるなって…どうしたら…」
「ゆうひに、そんなコソコソとしたこと
させたくないの…」
「…」
「もし逃げるなら、…一人で逃げて…」
雪乃は強く啓太を抱きしめた
その声も、体も、心さえもが
悲しみと悔しさで震えていた
「そして、世間が静かになったら…
そうなったら、ひょっこり出て来て下さい…
また、3人で…暮らしましょうよ…
3人で、ねぇ…」
別れたくない
離れ離れになりたいはずがない…
しかし何を1番優先するのか、
何を1番大切にしなければいけないのか…
その答によっては
時には、離れざるを得ないのかもしれない…
啓太には、
痛いほど雪乃の気持ちが伝わった
…何よりも、ゆうひのために
僕は、身を隠す
何よりも、雪乃のために
僕は身を隠すんだ
「雪乃…待っててな…雪乃…
ずっと、ずっと待っててなぁ…」
「待ってます…ずっと待ってますから、
…絶対、帰ってきてね、絶対よ…」
何年も過ぎた
テレビや新聞からは、
"染谷"の名は消えていった
しかし手遅れだった
啓太が帰ってきた頃には、雪乃は病気で死に、
ゆうひは親戚の家に引き取られていたのだ
逃げ出した自分に、
もはや父親面してゆうひに合わせる顔などない
会ってもきっと、
ゆうひは自分を覚えていないだろうし
憎まれることは目に見えている
ゆうひに…憎しみなんて感情を
抱かせたくない
じゃあ僕はいなくなろう
せめてもの、
君への償いとして
今日から僕は、
死んだ身となろう…