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刑事とJK
第69章 敵に塩を送る
「…ところであんた、歌手だったっけ?」
南の唐突な質問に、清隆は驚いた
「えっ、あ…まあ。
全然売れてないけど」
「…夢があって…いいな」
「ゆ、夢?」
「人を楽しませたり喜ばせたりする職業、すごいよ」
「そ、そんな、
刑事さんだって世の中を平和に…」
「人間の犯罪なしでなりたたない仕事だ。
何とも言えないな」
「…」
清隆は黙り込んだ
「で、用件は?」
南はまたコーヒーを飲んだ
「だ、だから、飛鳥と会ってやってよ!!」
「…断る」
「どうしてさ!?
飛鳥だって、あんたのことを…」
「俺とあんたを秤に掛けたとき…
飛鳥が選ぶのは俺じゃない」
南は淡々と喋った
「そんなの…、本人に聞いたわけじゃないだろ!?
直接会って、話してやってくれって!!」
「聞かなくても…わかる」
何年も前に、聞いたから
…俺とは、そういう関係になれないんだとさ
俺のことは、
嫌いじゃないけど、愛してもいないと…
何年も前に
飛鳥と瓜二つの女に、聞かされたよ