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気の毒な人
第1章 気の毒な人
 幼い私の自慰を不意に目撃するハメに陥り、結果「アホか」と罵るだけに終わった気の毒な人と私とのトチ狂った関係が始まったのは、その夏からしばらく経ってからだった。


 記憶の中の私はランドセルを背負っている。
 一体どういう風の吹き回しだったのか分かりかねるものの、家の前で記念撮影してもらった記憶があり、事実手元にその写真が残っているので、恐らく小学校に入学した頃だろう。


 ランドセルを背負って学校に行った記憶はあまりないのだが、それと同じくらい、気の毒な人がなぜ我が家で毎日顔を合わせるようになったのか、記憶に薄い。
 だから成長に伴って得た現在の知識で補足する。

 気の毒な人には5つ年上の独身の姉がおり、つまるところ私にとってはハタチも年の離れた姉ということになるのだが、彼女も同じ屋根の下で暮らしており、新卒の気の毒な人と同業者であった。
 ちなみに父親も彼らの同業者であったため、血筋のようなものなのだったのだろう。

 
 察するに、彼らは家庭外では子供に関心を向けるが、家庭内では子供に関心を向けない、という人種だったに違いない。


 家庭内は常に不穏な空気が流れていた。
 ふつう家庭内暴力を犯すのは男だと考えられているが、我が家の場合は女だった。
 つまるところ、姉が家庭内に於ける加害者であった。
 ・・・いや、姉に関してはチンコがついていないだけで気の毒な人と同じようなゴリラシルエットだったため“女”とカウントしていいのか頭を悩ませるところだが、戸籍上“女”であることに間違いはないのでそう記述しておく。


 姉のターゲットは無抵抗の幼い私だった。
 姉は頻繁に私を殴った。

 陰湿なのは、顔を殴らないところだ。
 一度腹を殴られ嘔吐した経験があるので、姉は主に太腿や尻といった“思いっきり殴れるわりに致命傷に至らない個所”を賢く選択して私に暴力を振るった。
 
 母は気付かないフリをして自分に及ぶ被害を避け、大学卒業と同時に同居するようになっていた気の毒な人は我関せずといった態度でテレビばかり観ていた。
 父はそもそも在宅すらしていなかった。

 
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