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気の毒な人
第1章 気の毒な人
 脳裏に風呂場での出来事が蘇った。
 あのときより濃度を増した強い関心がじりじりと私の股間を焦がしていくさまが分かった。
 
 じきに気の毒な人はゆっくり股間に顔を近付け、そこを舐めた。

 何をされているのか分からない恐怖ほど大きいものはない。
 気の毒な人は私の包皮に覆われた陰核を舐め続けた。
 しかし、お湯や指が私に与えた快楽とは似て非なるものである。
 一言で表すならば不快以外の何者でもない。

 どれだけ鎖骨の痛みと恐怖に耐えたのか定かでないが、気の毒な人は顔を上げると、今度は指を膣の中に捻じ込もうと試みた。
 事実、指はモノ凄い痛みと共に私の膣の中に入った。
 どれくらい入ったのか分からないが、気の毒な人は、

「漫画、おかあに言うて買うてもらえ」

 と言いながら指を引き抜き、今度はださい縦縞ズボンを下ろして中身を取り出し、無理矢理私に握らせると「噛むなよ」といったことを言いながら私にそれを咥えるよう要求し、「やらな殺すぞ」といったごくスタンダードな脅し文句で私を震え上がらせ、素直に実行させた。

 あの時、気の毒な人は気持ちよかったのだろうか?
 ひたすら「噛むなよ」と繰り返した記憶しかない。
 最後は喉の奥まで突っ込まれて射精されたのだが、幼かった私はおしっこをされたのだと勘違いし、見事に吐いた。
 ゲロに混じった精液の臭いは酷いものだった。
 
 どうやって精液ゲロを処理したのか記憶にないが、翌朝目にしたパンツの内側は血でべったり汚れていた。

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