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ここで待ってるから。
第14章 《かの子さんと里桜氏》魔王の午睡。
 柔らかい茶金色の髪に、光の加減で黒にも緑にも見える瞳。長い手足に、綺麗な指先。

 背後から抱きしめられ、どうして抗えよう。

 この美しい生き物は本当にこの世の者なのだろうか。

 否。この男は人間じゃない。

 この男は…魔王だ。

 ワガママで自由奔放、自己中、へそ曲がり、意地悪で、そして…エロい。


「ほら、かの子。ちゃんと、脚開いて。じゃないと、キレイに洗えないよ?」

 バスタブに背後から抱き抱えられ、スポンジで身体を隅々まで洗われる。
 時々、わざと乳首をつまんだり、ひっかけたりする。その度に、小さな声を上げるとニヤニヤ口角をあげ私を観察する。

「…ほら、恥ずかしがらない。」

 耳元で囁かれ、この状況で恥ずかしがらない女がいたら見てみたい。

 力任せに避けたり、逃げ出せばいいのだが左腕のギプスがそれを阻止する。

 数日前、慌てて階段から転げ落ち左腕にヒビが入ってしまった。
 かろうじて右手は使えるものの、車の運転は出来ず困っていた。そんな時、この魔王は私の介護をかって出た。

 魔王の名前は、月野里桜(つきのりおう)。

 父の片腕として私が小さい頃から側にいた。日本人と外国人のハーフで、三十三歳。

 そして、私の許婚。

「あれ?どうしたのかな?こんなに尖って、コリコリしてるよ?舐めていい?」

 白々しく、乳首を弄る。
 長い綺麗な指で弄られ、身をよじる。

「あっ、り…りお、う。や、やめて…。」

 口ではそんな事を言いながら、逃げないでいるのはいつだって甘い誘惑に期待してる自分がいる。
 
 里桜は私より大人で、女の身体を知り尽くしている。そして、私を子供扱いする。

「うん、可愛いね。かの子は。」

 痛いくらいに尖った頂きに唇が近づき、柔らかく含まれる。舌が温かく乳首を包み、吸い付かれる。

「あ、あぁ…んっ。」

 小さな快感が身体の奥に灯る。それは、小さな小さな炎。

「ふふっ。気持ち良くなってきてるね。ほら、ここも熱く口をあけてるよ。」

 脚の間に指を滑り込ませ、花芯をかすめその下の淫靡な口を刺激する。指先で口をなぞり、第一関節を中に入れ怪しく動かす。

「…っう。ん、やめて…。」

 身体を強ばらせ、脚を閉じる。

「…そうだね。まだ、お預け。」

 指は暫く、花芯や蜜口をさ迷う。

「早く、かの子を食べないな。」
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