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ここで待ってるから。
第14章 《かの子さんと里桜氏》魔王の午睡。
 結局のところ、二人でベッドに寝転がってお互いの恋愛の事や仕事の事をグチグチ話ながら一夜を過ごした。

 それは、学生の頃の修学旅行の夜のように。

「でも、水瀬の許婚って父の想いってよりも、一方的な束縛じゃない?」

 確かに、私の意思はまったくない。

「それでも、私は父が好きで父の言うことは、何でも叶えてあげたい。」

「じゃあ、相手の気持ちは?」

 里桜の気持ち?

「水瀬もだけど、相手が本当は好きな人がいたら水瀬はこのまま結婚できる?」

 そもそも、里桜は私なんかで良いのだろうか?
 私の身体を触ったり、いたずらしたりするもののそれ以上はしてこない。
 良く考えたら、唇にキスをされたことがない…。

 それに、迎えに来るといいながら里桜からはメールや着信は無い。

 里桜は本当に私で良いのだろうか?

 私も里桜も、何かしらに縛られているだけなんじゃないだろうか?

「…水瀬。俺、待っててもいい?」

 由岐は私を抱き締める。
 今はその腕に身体を預けている。

「勝手に待ってるだけだから…。」




 昼過ぎまで、ラブホにグダグダいて軽く食事をして帰宅する。

 いろんな意味の朝帰り。

 一晩、ラブホにいて何もなかった…なんて、信じてくれるのかしら?

 ドアを開け、中に入る。

 里桜を探す。

 ソファに横になり、眠っていた。

 目を閉じ、手を組み小さな寝息を立てている。ゆっくりと、肩が揺れ規則正しい呼吸。
 整った顔を静かに見入る。

 少しは妬いてくれるのかな?嫉妬してくれるのかしら?

 薄手のタオルケットをかける。

 時々、震える睫毛。唇。

 何もかもが美しく、儚く。夢、幻のように、その存在を不確かなものにする。

 私の中で、大きな存在。

 父よりも。

 こんなに、誰かを好きになるなんて思いもしなかった。

 軽い寝返りをして、里桜は目を覚ます。

 うっすらと開けた目が、緑色に光らせる。

「かの子、おかえり。」

「うん…。ただいま。」

 あわてて、目をそらす。
 じっと、見つめてしまった。

 里桜はローテーブルの上に置いてある眼鏡を取り、かける。仕事ではコンタクトだけど、普段は眼鏡をかけている軽い近眼。

「…何処に泊まったのかな?」

 里桜は淡々と聞く。

 由岐とホテルに行ったと言ったら、里桜はどう思う?
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