この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
ここで待ってるから。
第18章 サクラサク。②
〈胡桃の領分〉


「お兄ちゃん。」

 いや、今の状況で『お兄ちゃん』はどうなんだろう。やはり、ここは名前で呼ぶべきかな?

 でも、周りに一杯人がいるし。あ、周りの人達は私達が兄妹か恋人か家族だなんて知らないから、いいのかな?

 うーん。でも、お兄ちゃんが嫌かもしれないよね。

「おい。」

 昨日の夜、名前で呼んでって言ってたけど、それは部屋の中で二人きりの時だろうし…はっ。二人きりの時っ?!

 や、やだ。
 お兄ちゃんと二人きりだなんて。
 ま、まだ無理。
 そりゃ、はじめての相手としてお兄ちゃんは絶対なんだけど。

「おーい。」

 あの後、橙子さんと東先輩が帰ってから、いい感じにはなったけど…。

 可愛い下着も着けてなかったし。
 お肌のお手入れもしてなかったし。
 大泣きして、腫れ上がった顔でエッチはしたくないし…。

 くぅ…。
 
 お兄ちゃんも同じ気持ちでいてくれた。
 それだけで、幸せだな。

「胡桃?」

 お兄ちゃんが不意に私を覗き込む。

 ハッ、と我に返る。

 
「…具合悪いのかい?」

「ち、違う。大丈夫。あ、えっと、なんだっけ。」

「ん?ほら、どのアイスにするんだ?」

 日曜日、明日にはまた大学の寮に帰るから観光スポットを巡っていた。
 春の陽気のせいで、かなり暑く休憩がてらアイスを食べようと店先に並んでいた。

 ショーケースの中には色とりどりのアイス。
 沢山の中から、選んでいる最中だった。

「えっ、えっと。桜フレーバーにする。お兄ちゃんは?」

「僕はキャラメルヘーゼルナッツ。」

 二人とも注文して、私はワッフルコーン。お兄ちゃんはカップで受けとる。

 メインの大通りを避け、大きな公園に行く。
 日曜日の午後は子供達や家族で賑わう。

 木陰のベンチに座り、アイスを食べる。

「今日は本当に暑いくらいだね。これじゃあ、桜が散るのは早いね。」

 お兄ちゃんはプラスチックのスプーンで味わいながらゆっくり食べる。
 私は溶けだした、アイスに集中する。

「…胡桃は昔から、コーンのアイスを食べるの下手だね。」

 クスクス笑いながら、お兄ちゃんは顔を近付ける。

 舌が伸び、溶けたアイスを舐めとる。
 時々、指先に唇が触れる。

 それが、まるで私を挑発するように甘い刺激を与える。

「…まだまだ、子供だね。」
/205ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ