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ここで待ってるから。
第18章 サクラサク。②
 パソコンを打つ手を止め、私の方を振り向く。

 大きな手が、私の肩を掴み引き寄せられる。
 胸に顔を埋め、じっとする。

「…何も心配しないでいいから。」

 お兄ちゃんには敵わない。
 私の心なんてすでにお見通し。
 怖いな…。このまま、会わないでいたらお兄ちゃんの気持ち離れてしまうのかな?
 辛いな…。ずっと、側にいたい。

「胡桃。」

 今になって、寂しさが募る。

 胸が苦しい。お兄ちゃんの声が頭に響く。

「…お兄ちゃん、私の事、好き?」

 何度も聞いた言葉。何度も言った言葉。
 信用してない訳じゃなく、確かな言葉にしたいだけ。その言葉だけで、離れていてもがんばれる。

「好きだよ。」

 背中に手を回す。
 大きな背中に安堵する。

 お兄ちゃんの息遣い。鼓動。身体の温かさを胸に刻む。

 そっと、唇が耳をくすぐる。

 優しく甘噛みされ、身体がざわつく。

「…や、んっ。」

 思わず出た声に驚く。

 この状況は…。
 お兄ちゃんは私が欲しいのかな。
 どうしよう…。心の準備、まだ出来てない。
 まだ、怖い。

「…ごめん。」

 身体を離し、お兄ちゃんは心配そうに私を覗く。

「う、ううん。あの、お兄ちゃん。」

 大きな手が伸びて、私の頭を撫でる。
 小さな頃から私を守ってくれた手。
 優しく、力強い手。

「…これからも、ずっと一緒にいてね。」

 お兄ちゃんの手をとり、指を絡める。

「今日は一緒に寝ようか。」

 思わず顔を赤らめる。
 え、えっ?
 一緒に…って。やっぱり、そういう事をしようって事?
 ど、どうしよう。
 私はどんな風にしたらいいんだろう?

 寝てるだけなのかな?
 積極的に動いたらいいのかな?
 でも、あんまりガツガツしてたら欲求不満だと思われるかな。

 あー、もう少しネットで調べておけばよかった。

「胡桃。」

 お兄ちゃんの声で頭の中での暴走が止まる。

「…一緒にって、一緒に寝るだけだよ?なにもしやしないよ。」

 クスクス笑いながら、お腹を抱える。段々と大笑いになる。

「な、何が可笑しいの?お、お兄ちゃんの馬鹿。」

 何だか腹立たしい。
 馬鹿にされた感じで、少しだけ悲しい。

「アハハハハ。…胡桃、胡桃こっちにおいで。」

 両手で私の頬を包み、静かに唇を重ねる。
 優しい、優しいキスを。
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