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ここで待ってるから。
第19章 サクラサク。③
 コース料理を堪能し、デザートが運ばれる。

 白い大きな皿に、桜やパンジー、小さな色とりどりの可愛い花が散らばり中央にバニラのムースやプチガトー、淡いピンクのアイスが盛られている。

「うわぁ、素敵。」

 思わず声を上げ、感動する。

 こんな可愛いデザート、幸せだわ。
 食べるのがもったいないー。

「沙矢子さん。」

 デザートに目を奪われていて、総一朗君の存在を忘れていた。
 顔を上げて、総一朗君を見る。

「沙矢子さん、可愛いです。」

 思わず、顔が赤くなる。

「…もっと、これからも沢山の沙矢子さんを見せてください。」

「…はい。」

 素直に返事をするが、まともに目を合わせられない。
 胸がドキドキしている。

「沙矢子さんと出会って、僕は本当に幸せです。この気持ちは一生変わりません。沙矢子さんはどうですか?」

「…私も、総一朗君と出会えてよかった。あのまま、あの時出会えなかったら、あの恋愛を引きずってボロボロだったかも。」

「貴女が助けて、と鳴いてくれたから。僕は貴女を拾ったんです。沙矢子さんがツキを拾ったように。拾った…なんて、嫌な言い方しか出来ませんが。」

「ううん。そうね…それなら、釣った魚にしておく?」

 二人して大笑いする。
 久しぶりに総一朗君と楽しく過ごせた。

「それと、これ。誕生日プレゼント。」

 スーツのポケットから、カード式のキーを渡される。

「このホテルの鍵です。僕は釣った魚には餌はあげません。釣った魚は、美味しくいただきますので。」

 総一朗君は不適な笑みを浮かべている。




 二人、部屋に入るなり服を脱ぐのももどかしくドアの前で唇を重ねる。

 すがるように抱きつき、何度も何度も求め合う。

 優しく、激しく吸い舌を絡める。
 二人の境界など無くなり、今は欲望のままに突き進んでいる。

 服の上から荒々しく、胸を揉みしだく。

 総一朗君の吐息が頬や首筋を擽る。

 会えなかった時間を埋めるように、いつもよりお互いの存在を感じるように。

「…ふっ、ん…。そ、総一朗君。立ってられない…。」

 膝から力が抜け、総一朗君の胸に身体を預ける。
 総一朗君は私を抱え、ダブルベッドに運ぶ。

 ベッドに寝かされながらも、唇を貪り合う。

「ごめんなさい。…優しくなんて、出来そうもないです…。」

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