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ここで待ってるから。
第22章 あの頃の君へ。②
明日も仕事なのに、かなりのペースでボトルワインを空けてしまった。
それも、境さんは車だからとノンアルビールなのに。
「波村は酒に強いんだね。」
「…すみません。料理、本当に美味しくてワインも美味しくて…。一人でガバガバ飲んでしまって、すみません。」
境さんは大笑いする。
「満足してもらえて良かった。…じゃあ、さ。申し訳ないって思うなら、俺のマンションで酒、付き合って。」
「え?これからですか?」
「まさか。明日、明後日は忙しいから次の金曜日はどう?」
宅飲みか。
それも二人だけ?
それって、会社の同僚として?
それとも、一人の女として?
「今日は楽しかったよ。」
その後、車で自宅マンションまで送ってくれた。
「こちらこそ。…本当にすみません。あの、ご馳走さまでした。」
シートベルトを外し、車外に出ようとドアに手をかけた瞬間、肩を掴まれ境さんに抱きしめられる。
狭い車内に、身体を小さくして温かい抱擁に身を任せる。
境さんの吐息が、首筋に当たる。
肩に顔を埋める。ほんのりと、グリーンの香りのコロンが鼻を擽る。
少しの沈黙が過ぎ、お互い身体を離す。
ゆっくりと境さんの顔が近づく。
「…波村。今、彼氏いる?」
「いえ。いませんけど…。」
じっ、とみつめられ恥ずかしさで赤面する。耳まで熱くなる。
「…俺、波村の事、好きだよ。最初は真面目で融通のきかない堅物女かと思ってた。一緒に仕事していて、気が利くし、優しいし…時々、可愛いいんだよな…波村は。」
「境さん…あの…。」
「もし、嫌じゃなかったら…付き合って欲しい。」
「えっ…と。」
「本気だよ。もし、付き合ってくれるなら…大切にするから。」
そんな、至近距離で真剣に話されたら拒否なんてできない。
私は境さんに惹かれている。
このまま、付き合ってもいいかな…。
「…あの。私でよければ…。」
また、急に身体をきつく抱きしめられる。
息苦しいくらいに。
「…よかった。ずっと、いつ告白しようかなって思ってたんだ。」
私も境さんの背中に手をまわす。優しく、ぎこちなく唇を重ねる。
幸せだと心から思った。
仕事も恋も順調だった。
あの、女が来るまでは。
小暮真理子。
私から大切な人を奪った女。
それも、境さんは車だからとノンアルビールなのに。
「波村は酒に強いんだね。」
「…すみません。料理、本当に美味しくてワインも美味しくて…。一人でガバガバ飲んでしまって、すみません。」
境さんは大笑いする。
「満足してもらえて良かった。…じゃあ、さ。申し訳ないって思うなら、俺のマンションで酒、付き合って。」
「え?これからですか?」
「まさか。明日、明後日は忙しいから次の金曜日はどう?」
宅飲みか。
それも二人だけ?
それって、会社の同僚として?
それとも、一人の女として?
「今日は楽しかったよ。」
その後、車で自宅マンションまで送ってくれた。
「こちらこそ。…本当にすみません。あの、ご馳走さまでした。」
シートベルトを外し、車外に出ようとドアに手をかけた瞬間、肩を掴まれ境さんに抱きしめられる。
狭い車内に、身体を小さくして温かい抱擁に身を任せる。
境さんの吐息が、首筋に当たる。
肩に顔を埋める。ほんのりと、グリーンの香りのコロンが鼻を擽る。
少しの沈黙が過ぎ、お互い身体を離す。
ゆっくりと境さんの顔が近づく。
「…波村。今、彼氏いる?」
「いえ。いませんけど…。」
じっ、とみつめられ恥ずかしさで赤面する。耳まで熱くなる。
「…俺、波村の事、好きだよ。最初は真面目で融通のきかない堅物女かと思ってた。一緒に仕事していて、気が利くし、優しいし…時々、可愛いいんだよな…波村は。」
「境さん…あの…。」
「もし、嫌じゃなかったら…付き合って欲しい。」
「えっ…と。」
「本気だよ。もし、付き合ってくれるなら…大切にするから。」
そんな、至近距離で真剣に話されたら拒否なんてできない。
私は境さんに惹かれている。
このまま、付き合ってもいいかな…。
「…あの。私でよければ…。」
また、急に身体をきつく抱きしめられる。
息苦しいくらいに。
「…よかった。ずっと、いつ告白しようかなって思ってたんだ。」
私も境さんの背中に手をまわす。優しく、ぎこちなく唇を重ねる。
幸せだと心から思った。
仕事も恋も順調だった。
あの、女が来るまでは。
小暮真理子。
私から大切な人を奪った女。