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ここで待ってるから。
第3章 嫉妬。
 買い物をして帰宅すると、ソファにグッタリしている夏がいた。

「夏君、スーツしわ寄るよ?」
 
 綺麗な寝顔。長いまつ毛。

 肩に手を添え、揺り動かす。
 不意に手を掴まれ、ソファに身体を押し付けられる。夏は私に馬乗りになり、覗き込む。

「…橙子さん。」

 そっと、手を伸ばし頬にあてる。夏はうっとりとし、目を閉じる。

「…疲れた?」

「うん。仕事はいいんだけど、自分の対人スキルが低すぎて嫌になった。」

「まだ、初日でしょ?結局、慣れるしかないよ。」

「…慰めて。」

 夏が私の胸に顔を埋める。
 髪を撫で、肩をさする。

 まるで、子供みたい。
 私が慰めて欲しいのに。

「…橙子さん。」

 夏は上半身を起こして、苦笑いする。

「お腹すいた。」


 作り置きの煮物と生姜焼き、味噌汁を用意する。夏も部屋着に着替え、手伝う。
 ダイニングテーブルに着き、缶ビールを開ける。

「初勤務、お疲れ様。」

「ありがとうございます。でも、ここ毎日何かを祝ってる気がしますが。」

 二人して大笑いする。
 夏は料理を口にするたび、大袈裟に褒める。

「いや、まぢで。うちのお袋の料理は殺意を感じますよ。でも、おばちゃんや橙子さんの料理は本当、美味しい。」

「そんなことないよ。おばさん、上手だよ?」

「そっかなー。あ。話変わりますが、今週金曜日歓迎会で遅くなります。」

「ん。わかった。私も多分、飲み会。」

 食べ終わった食器を片付け、明日出すゴミをまとめたり、洗濯物を片付ける。
 
「先、風呂ありがとうございます。」

 風呂上がりの夏を見て、ドキっとする。
 髪の雫が色っぽく、滴る。それをタオルで抑える仕草に見惚れる。

「橙子さん。あの…。」

「ん?なに?」

「…今週の土曜日、一緒に出掛けませんか?」

 夏は冷蔵庫から缶ビールをだし、ソファに座る。
 私は窓を閉め、カーテンを引く。

 土日の予定はなくなったから、まぁいいか。

「うん。いいけど。疲れてるなら、無理して出掛けなくてもいいからね。あと、おばさんに今日の様子とか連絡しといてね。心配してると思うから。」

 夏といると、ささくれ立つ気持ちが落ち着く。
 涼介の時とはあきらかに違う…でも、それを何て表せばいいのかまだ、わからない。


 
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