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ここで待ってるから。
第25章 そうだ、温泉に行こう。〈花海棠と鳳仙花〉
「…もしもし?…。」

 こんな、ウジウジしてたらいつか夏に嫌われそう。飽きられて、捨てられていつのまにやら嫁き遅れて…。

 沙矢子なんか、両手と背中に子供がわんさかいて、それでも幸せな顔してるんだろうな。

 私の方が溜め息付きたい。

 夏とこの先の事なんて、考えていいのかな…。迷惑じゃないのかな…。

「…ねぇ、橙子。お風呂、行こう?」

 携帯の通話を切り、沙矢子が提案してくる。かなりお酒、入ってるけど…。

「総一朗君からで本館の露天風呂、凄く広くて良いらしいよ。今から男女入れ換えだから、来てみなよって。」

「まぁ、せっかくの温泉だしね。行きますか。」

 重い腰をあげ、入浴セットを用意して本館に向かう。

 フロントの前を通ると、女将と背の高い女性が話をしている。背の高い女性は私達に気がつくと、軽く会釈をする。

 女将はニコニコしなが、声をかけてきた。

「これから、露天風呂に行かれますか?あと、五分程で女性専用になりますので。もう少々、お待ちくださいね。」

「はい。ツレがとても良い露天だったと連絡が来まして。楽しみにしています。」

「それは、それは。あと、露天風呂以外にも…。」

 沙矢子は女将と話し込む。

 私はゆっくり露天風呂のある方向に歩く。ちょっと曲がりくねった廊下の先に、左右に大きな暖簾が掛かっている入り口に行き着く。

 右側も左も露天風呂。

 良く見ると、左の露天風呂には女性用の札がかかっている。右には男性用の札。清掃中の立て看板は端に畳まれている。

 あ、なんだ。もう入れるのか。

 暖簾の下を見ると、スリッパが一組揃えて置いてある。

 何の気なしに、暖簾をくぐり奥まった脱衣所に行く。棚には一組の浴衣が綺麗に畳まれている。

 沙矢子を待たず、さっさと浴衣を脱ぎ裸になる。髪の後れ毛を整え、露天風呂に向かう。

 ガラスの扉を開けると、そこは室内でシャワーと蛇口が壁際に仕切られ設置してある。

 あれ?沙矢子、遅くない?まぁ、話に花が咲いてるのかな。

 とりあえず、身体と髪を洗い外に向かう。

 冷たい夜風が肩を撫でる。
 乳白色のお湯から、湯気が立ち上る。

 手すりを手繰り、お湯に足を浸けゆっくりと奥に進む。

 かなり、奥行きがあるが照明が優しく水面に輝く。

 ふっ、と視線の先に人影が映る。
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