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ここで待ってるから。
第7章 夢の後先。
 夏が来てまだ一週間しか経っていないのに、昔から側にいた感じ。いなくなった虚無感はかなり重い。
 それは、やっぱり姉と弟的な寂しさ?
 男と女の別離?
 心にぽっかりあいた穴を埋める術を探る。


「…何、その月曜から陰気な雰囲気は?」

 朝礼後に沙矢子からの一言。
 昨夜はほとんど眠れず、気がつけば会社に来ていた。

「沙矢子…。私…。」

 いろんな感情が入り混ざり、今にも泣き出しそうな私の肩を抱えフロアから出る。

「沖田君、橙子具合悪いみたいだから少し休ませる。リーダーに伝えておいて。」

 同じチームの沖田君は心配そうに私を見る。

「了解です。無理しないで下さいね。」


 沙矢子と私は使われていない会議室に入る。折りたたみの椅子を出し差し向かいに座る。

「あのさ、橙子さん。一体なにがあったの?例のイトコ君?それとも、涼介?」

「うっ。ど、どっちも。」

「はぁ?意味わかんない。」

「私もわかんないの。涼介がいるくせに、夏に惹かれてる…どちらも、好きなんてありえないのに。」

 月曜の朝からそんな告白をされて、沙矢子は目をまん丸にしている。笑いたきゃ笑ってちょうだい。

「橙子。二人と距離をとったら?」

「…えっ?」

「近すぎて見えない事ってあるんだよね。だから、少し離れて見てみなよ。案外、二人とも大した事無いかもよ?」

 笑いながら沙矢子は私の背中をバンバン叩く。

「…ん。ありがとう。沙矢子。」

 どちらにしても、夏は仕事先だし。涼介は相変わらず激務だし…。

「また、一週間がんばろう。週末は恒例飲み会しよ?!」


 
 家に帰って、簡単な物を作る。
 今日は麻婆丼にしよう。
 涼介と会社ですれ違いもしなければ、メールも無い。それはいつもの事だけど、自分から遠ざけてるという状況に少し余裕が出る。
 夏とも今日、木曜日まで連絡は無い。
 一度、部屋に帰って来た感じだったけど、荷物を持って出て行ったんだろうな。

 今少し冷静に気持ちを整理する。

 涼介は私を愛してくれている。でも、セフレが沢山いる。それが、私は面白くない。

 夏は私が初恋。でも、年下でイトコ。そこがネックになっているが、夏と寝てしまった。

 じゃあ、どちらが好き?

 欲張りな女が言う。

『どっちも、好き。』

 …まだ、ダメかも。
 


 



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