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ここで待ってるから。
第8章 眺めの良い場所。
 私は立ち上がり、一升瓶を煽っている夏の頭を叩く。

「あっ!!なにふるんでふか?!」

 目が座って、ベロベロの夏は凄い剣幕でまくし立てる。

「だいたい、とーこさんが悪いんですよ?!とーこさん、あなた気がついてないけどメチャクチャいい女なんですよ?!知ってますか?!」

 知りませんよ。そんな事。

「男からしたら、いつでも抱きたいくらいいい身体してるし、優しくて、可愛くて…ああああっ!!」

 もう、どうしてくれようか。
 この口をガムテープで塞ぐか、ホチキスで留めてやろうか。

 夏はいきなりうずくまり、泣き出す。
 近くにいたおばちゃんが背中をさする。

「あんたは昔から、橙子ちゃんの後を付いて回ってたもんね。何をするのも、くっついて遊んでたからね。」

「…うん。」

 でも、時々私の手をひいてくれたり。守ってくれたり。
 ため息一つ。

 夏はそのまま、グズグス言いながら寝だす。まるっきり、子供じゃない。

「…ほら、夏。寝るなら部屋で寝て。」

 親戚達は話の切り替わりが早く、次はあかりの子供達の話になり私は夏を抱える。でも、身長差がありすぎて私が逆に潰されそうになる。
 それを見て、守が手を貸してくれる。

「どこに連れて行く?」

 客間は宴会場となってしまったので、とりあえず自分の部屋かな。

「二階に。まったく。」

 守は夏を抱えて、二階に向かう。私も背中を支えて、階段を上がる。
 部屋に入り、夏をベッドに寝かせる。
 肌掛けを肩までかけ、その寝顔をみつめる。

「橙子。あかりが何を言ったか知らないが…おじさん、おばさんの話も間に受けないで欲しい。俺は俺の意思で結婚はしないと決めてるんだ。」

 悲しそうな横顔に、頷くしかなかった。

「うん。」

「…でも、久々会ってそれがちょっと揺らいだ。」

 私は守を見る。

「夏がさっき、お前はいい女なんだからっ…て言ってた意味がわかるか?」

「…それが、さっぱりわからない。今の彼にも言われた。前に付き合ってた男にも言われた。私は普通の女ですよ。それより、強欲でズルくて汚い女ですよ。」

 なのになんで、好きになってくれるんだろうか。

「橙子は今の気持ちに蓋をせず、自由になってみたらいいんじゃないか?」

「…どういうこと?」

「言葉そのまま。俺にはキツそうに生きてる様に見えたから。」
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