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ここで待ってるから。
第9章 嘘と、好きと嫌い
「…それが、成立するかしないかはその時じゃないとわからないな。」
「相手の見た目で決まる?」
涼介は苦笑いしながら、私の頭を撫でる。
「さぁ?それより、引き止めてはくれないんだな。泣いてすがれば、見合いなんか辞めるのに?」
「…涼介、私。私ね、貴方と距離をとって色々考えたのに。イトコの夏の事と、涼介の事。私には選べなくて…だから、涼介が決めて。このままでいいのか、別れるか。」
いつか話さなくてはいけなかった言葉。
ズルイ女のワガママ。
「そうか。俺は橙子が思う様に生きてくれたらそれでいい。それが、幸せなら尚更。簡単に返事は出来ない。俺も橙子にはかなり、入れ込んでいるつもりだ。」
「うん。涼介、ありがとう。」
「…今度、ゆっくり話そう。」
顔が近づき、そっと唇が頬に触れる。
優しいキスは私の心の隙間を静かに塞ぐ。
カタカタ。
トントン。
キッチンの方からの音で目が覚める。
少し眠れたのが良かったのか、頭痛は治まっている。腰の重さと腹痛は相変わらず続いている。
ベッドから起きて時計を見ると、16時を指している。
午後、しっかり眠れたんだ。
涼介の姿はいつの間にかに消えていた。
ゆっくり、キッチンに向かうと夏がいた。
「…夏?仕事は?」
「うわぁ。橙子さん?だ、大丈夫?」
夏は駆け寄り、私の頭や肩を撫でさする。
「…うん?大丈夫だよ?夏は何でいるの?」
「えっ?あのメールの後、気になって帰ってきた。心配だったから…。そ、そしたら…いや、何でもない。それより身体、大丈夫?」
「大丈夫。まだ、お腹痛いけど。何、作ってるの?」
コンロにかかっている鍋が沸騰している。
野菜がまな板の上で刻まれている。
「あ、えっと。身体に良いもの。ソファで横になってて下さい。今、お茶淹れるから。」
「…ありがとう。」
夏はニコニコしながら、料理を続ける。
私はソファに横になり、クッションをお腹に当てる。目を閉じて、キッチンの音を聞く。
少し前までは私一人しかいなくて、静かな部屋がこんなに音に溢れ、賑やかになるなんて思わなかった。
今少しだけ、心の核心に触れたような気がする。
夏は自分のコーヒーと私ようにお茶を入れて、リビングに持ってくる。ローテーブルに置き、夏は私の様子をみる。
「相手の見た目で決まる?」
涼介は苦笑いしながら、私の頭を撫でる。
「さぁ?それより、引き止めてはくれないんだな。泣いてすがれば、見合いなんか辞めるのに?」
「…涼介、私。私ね、貴方と距離をとって色々考えたのに。イトコの夏の事と、涼介の事。私には選べなくて…だから、涼介が決めて。このままでいいのか、別れるか。」
いつか話さなくてはいけなかった言葉。
ズルイ女のワガママ。
「そうか。俺は橙子が思う様に生きてくれたらそれでいい。それが、幸せなら尚更。簡単に返事は出来ない。俺も橙子にはかなり、入れ込んでいるつもりだ。」
「うん。涼介、ありがとう。」
「…今度、ゆっくり話そう。」
顔が近づき、そっと唇が頬に触れる。
優しいキスは私の心の隙間を静かに塞ぐ。
カタカタ。
トントン。
キッチンの方からの音で目が覚める。
少し眠れたのが良かったのか、頭痛は治まっている。腰の重さと腹痛は相変わらず続いている。
ベッドから起きて時計を見ると、16時を指している。
午後、しっかり眠れたんだ。
涼介の姿はいつの間にかに消えていた。
ゆっくり、キッチンに向かうと夏がいた。
「…夏?仕事は?」
「うわぁ。橙子さん?だ、大丈夫?」
夏は駆け寄り、私の頭や肩を撫でさする。
「…うん?大丈夫だよ?夏は何でいるの?」
「えっ?あのメールの後、気になって帰ってきた。心配だったから…。そ、そしたら…いや、何でもない。それより身体、大丈夫?」
「大丈夫。まだ、お腹痛いけど。何、作ってるの?」
コンロにかかっている鍋が沸騰している。
野菜がまな板の上で刻まれている。
「あ、えっと。身体に良いもの。ソファで横になってて下さい。今、お茶淹れるから。」
「…ありがとう。」
夏はニコニコしながら、料理を続ける。
私はソファに横になり、クッションをお腹に当てる。目を閉じて、キッチンの音を聞く。
少し前までは私一人しかいなくて、静かな部屋がこんなに音に溢れ、賑やかになるなんて思わなかった。
今少しだけ、心の核心に触れたような気がする。
夏は自分のコーヒーと私ようにお茶を入れて、リビングに持ってくる。ローテーブルに置き、夏は私の様子をみる。