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セルフヌード
第4章 光と闇


「いけません……ここは、……!!っ」


 耳朶が乱暴につねり上げられるや、舌が聴覚を脅かした。
 女の手のひらが乳房を歪める。感覚など差し響かないような膨らみから、腹へ、みぞおちへ、更に下方へ、無遠慮な愛撫が這ってゆく。


「っ、はぁ……」


「お前に自由はない。一生……」



 …──生まれた価値もなかったお前は。



「……私に償うために生きてるの。私から奪ったものを贖い、爪一枚、髪一本だって、じっくりと、時間をかけて……私に壊されるためだけに。あの女もそこで私達を見ているでしょう。……ご覧なさい、お前は」



 …──私に逆らえない。



「っ…………」


 女がドロワーズを引きずり下ろす。

 ストッキングを引きちぎり、鋏がパンティの役目を奪った。


 くちゅ……ちゃぷっ、ちゃぷ……


 女の指が割れ目を奏でる。赤い唇が引き攣る頰に愉悦を及ぼす。


「ぶっ……ははっ、はははっ……血は争えないものねぇ!お前、こんなもの垂れ流して!」

「ひっ……ぅ……」


 女の指と指とを繋ぐ、どろりとした粘液。

 無色透明の毒のしずくが、なつみの伏せた双眸の前で、離れたはずの月光を弾く。


 なつみのおとがいに金属が触れた。鋏の刃先が皮膚に冷気を染み込ませる。
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