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セルフヌード
第4章 光と闇
「何とか言ったらどうなの」
「……ごめん、なさい。ごめんなさ……くっ」
女の指が熟れた秘口を押し広げた。
雪崩を打ってねじ込まれてくる、伸びかけの爪を置いた指。三本、四本──…ほんのりほぐれていただけの潤み肉は、今に女の手首まで飲み込みかけながら、生娘のように戦慄を始める。
「ぁっ……うっ、ん……ああっ」
「まぁ、勝手の良い性器だこと。顔色一つ変えないなんて、こんなんじゃ物足りないかしら」
「く……ぅっ、はぁっ、……」
女の拳がなつみの下腹を暴れる。強制的な呼び水が、屈辱をもたらすだけの異物を濡らし、女体を淫らに踊らせたがる。
くちゅ、ずぶっ、くちゅくちゅ……
ちくっ、きりり…………
女の拳が抜け出ていった。
粘液を浴びた女の利き手がなつみの腰まである髪を引き、首筋を舌がぬるりと這った。
「お前の大好きなお薬よ」
「……っ、……」
膣鏡が体内を露出する。女の操るピンセットが、白い一錠を投下した。小指ほどもない錠剤が、腹部を刹那の違和感に満たす。
「っ、はぁ、……」
「……前に私が売り飛ばしてやったお前の可愛い人形さん」
「い……や……」
「あすこのオーナー、今度は女から金を巻き上げるんですって。イイ男がいるって、叔母さん嘘ついちゃった」
「何を……」
女の平手の抱擁が、頰を離れた。
ざくっ……
小気味良い音が夜闇を裂いた。
じょきっ……ざく……
「広栄さん……っ!!」
なつみは女の──…住田広栄(すみたひろえ)に腕を伸ばす。だが、縄がなつみの動きを封じる。
広栄の鋏がなつみの髪を切り落としてゆく。
罪なき銀色の生き物が、なつみのものであってそうではなかった身体の一部を。
「お前は黙って言いなりになっていれば良いだけ。脱いでやる必要もない。……嫌なら良いのよ。代わりの女を寄越したって」
…──あの時みたいに。
「っ…………」
生気をなくした残骸が、完璧を偽る人形の人目に触れるべからざる瑕疵を覆って滑っていった。