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セルフヌード
第1章 秘密の快楽



 スマートフォンのカメラ機能を起動して、衣服を乱すだけのショットを撮る。これは採用するつもりのない手始めだ。

 衣服を脱いで、下着姿のショットを収める。身体の奥が顫えてくる。ブラジャーをずらす。娼婦が客を焦らすような仕草を意識し、指に乳首をにゅっと挟む。下着を外して、股の緩い女を気取って、誘惑的なポーズをつける。

 乳首の膨れ上がった白い漿果を、恥丘を、臀部の割れ目を両手で開いて玉門を、ウエストからももにかけての曲線を、陰核を、憑かれたように、貪るように、撮っていく。


 美優は、何十回とセルフタイマーをセットした。レンズという目に辱められて、胸が、うるさいまでに悦ぶ。



 洗濯、掃除を済ませて三時のお茶を楽しみながら、今朝の写真を編集していると、買い出しに出かける時間になった。

 この時間帯、地元のショッピングモールは食品売り場が賑わっている。美優は束の間、エロティックな女の気分を追い遣って、貞節な主婦の顔に戻る。

 守られる喜び。たった一人の人に愛され、愛している安心感。

 美優は、やはり夕餉も、あの優しい良人の好物ばかりで買い物かごを満たしていった。
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