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セルフヌード
第4章 光と闇
「髪、ウィッグ?」
「昨日とかのがニセモノ」
「……気づかなかった。いつから?というか、何で私、……」
「あー、ちょっと昔のストーカーと揉めただけ。良いじゃん、美優は私と一緒だと、きゅんきゅんしてるか発情してるかどっちかだもん。美優に夢中で可愛く潤んでる私の目しか、見えないんだよねー」
「何、言ってるの……」
「サイズダウンした?イカになってる」
「適当に言わないで」
「美優って相変わらず美人に厳しい。私本気で言ってるよ。襲いたくなるほど綺麗。美優、……初めて会った時より、どうしようもなく綺麗になってる」
「…………」
美人は嫌いだ。
本心かどうかも分からないような言葉でも、巧妙な自己演出の押し出す声音が、いかにも本気らしく聞かせるのだ。
車窓をネオンの街が流れる。
こんな時間になつみの側にいられたのは、誕生日以来だ。
なつみの車は洒落たホテルのパーキングエリアに入っていった。