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セルフヌード
第4章 光と闇


「ありささん達にはワガママ言った甲斐があったな。こういう光が欲しくって、あの体勢で反射板支えてもらってたの。翌朝筋肉痛になってたって、文句言われちゃった」

「──……」

「美優は光。……希望」

「ぁ、なつみ……」


 美優はなつみの腕をかわす。

 後方から流れてきた客の波を逃れて、二人、隅に寄った。


「すみません、貴女モデルさんですか?」

「きゃあっ……」

「ほんとだ。なつみの言った通り」

 美優はなつみの胸にしがみつき、一変して口調の砕けた第三者に振り返る。

 いつか街で見かけた女が、悪戯な余韻をいなせな顔に残して二人を見ていた。


「総子さんっ。……この度は、有り難うございました」

「こっちこそ有り難う。彼女可愛いわね。ただし、モデルがお客様に話しかけられて怯えるなんて、納得しないわ」

「美優はそこが良いんです。もうさっきからびくびくしちゃって」

「だったらベタベタしないでよっ。あ、……失礼しました。初めまして。小木曽美優と申します」

「稲田総子です。初めまして、美優さん。会えて光栄よ」

「美優、来たぞ」

「ひっ……」

 美優は今度こそ卒倒するかと思った。


「良くん……」

「あ、美優の?」

「うん、良くん。……」

 美優はぎこちなくなる頰を叱って、良に駆け寄る。
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