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セルフヌード
第4章 光と闇







 閨事で夜を明かしても、きっと足りない。

 寝室に移ってまた抱き合った。

 中毒にでもかかったようにキスをしながらシーツの海に転がり込んで、美優は惜しげもなく股を開く。なつみの柔らかな髪を、腕を撫でながら、何度も何度も名前を呼んで、すみずみまで散らされてくるキスに顫える。


「美優──……んっ」

「ぁっ、あっ、はぁ……ぁっあっん!……」


 びくっ……びくっびく……がくがくっ……


 なつみの指を覚えた腰が、美優の意思まで無視して暴れる。

 花のような唇が、乳房の肉を吸い上げる。執拗な舌が盛(さか)った乳首をいっそう勃たせる。


「愛してる、美優……愛してる……」

「ゃっ……あんっあん!……あっあっ……」



 …──私も。きっと貴女以上に貴女が。



 口に出せればどれだけ解き放たれることが。



 だのに身体が美優の意思に従わない。声すら思い通りに出させてくれない。



「美優、……」


 ……………………



 一瞬の間だった。


 ……………………



「──……」


「なつみ?」

「…………」

 一瞬のような、長い長い数秒間。


「あ、……」

「貧血?」

「……かも。ごめん、ちょっと」

「うん」


 なつみが覚束ない腕を支えに寝台を降りた。


 美優は一人、部屋に残された。
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