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セルフヌード
第4章 光と闇
* * * * * * *
女は人形を欲しがった。
人形の瞳は深い漆黒を閉ざしていた。人形は無辺の光にいた。
途方もない荒野に産み落とされた人形は、成人を迎える頃、同世代の多くの少女らが一目置くスタンスにいた。
女は人形を得るために、知恵を絞った。人形を愛する人形を使い、女は人形だけを得た。
無垢な人形は女の抱擁を知ることなく、男の手に渡っていった。
無垢な人形は買い手の住処に迎えられるや、純潔の肉体を暴かれた。
男は部下達に命じた。
…──お前は腕を押さえつけろ。お前は股を開かせろ。お前は頭を、お前は肩を押さえていろ。…………
男は人形の声を封じた。
愛のささめきも口づけも知らないでいた人形の口は、ゴムの球体に塞がれた。
人形は男の愛撫にたわんだ。
男は人形をすみずみまで物色し、人形の真新しい生殖器に生の異物をねじ込んだ。
人形の体内は欲望の濁流に満たされた。
瞠目し、充血し、許しを乞う瞳。
男は人形を見下ろして、いっそう滾った。使い古しの人形を、部下達にも分けてやった。
数日後、人形の手許には多額の金銭が残った。
人形の腹には命が宿った。
人形は光を追放された。