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セルフヌード
第1章 秘密の快楽
「どこかで、お会いしましたか?」
「こんなとこで言って良いの?」
美優の胸に、いよいよ青い焦燥が蠢く。
女は職業病だと言った。ウィンナーロイヤルミルクティーの件が美優と同じという可能性は、薄れていた。
心地の悪い青だ。
怯える美優を楽しみながら、鈍ったナイフを研いでいる。研ぐという動作に従いこそすれ、なまくらなパイルか何かで。
「心当たりあった?やった!」
「……ごめんなさい。出来心で、……ごめんなさい。あの、貴女は」
「うん、まぁ、そんなに湿っぽくされても白けるから。……」
女がすっと腰を上げた。優美に、スマートに。
美優の手首が引き寄せられた。
女の手が、バランスを崩しかけた美優の身体を、腕からやおら支え直した。
耳許に、計算高い吐息が触れた。
「場所移そっか。お姫様」
聴覚が、底意地悪い揶揄に顫えた。