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セルフヌード
第6章 最愛
美優は、どんな顔をしているのだろう。
なつみがここにいる。目覚めて一番に、美優を呼び、美優を見つめ、変わらず手の届く距離にいる。
夕まぐれ、終わったかと思った。
空白の記憶を挟んだ直前、後を追うことまで考えたのではなかったか。
診察室で聞かされた、美優の知らなかった事実。
なつみから直接聞きたかった。彼女を信じて、惹かれて、美優は何でも話してきたのに、なつみは違った。
「美優、可愛いよね。看護師さんから聞いたよ。私のために泣き喚いてたって」
「…………」
「惚れ直した。ああいうのドラマの中の話かと思ってたけど、実際されると感動するね。見られなくて残念だった」
片腕になつみの腕がまといつく。
馴れ馴れしい、物怖じしない笑い声が美優の眠気をといてゆく。
「……何で、黙ってたの。……」
忿怒が美優を守ろうとする。
暢気な美人が、いっそ目障りにさえなってくる。