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セルフヌード
第6章 最愛
「はぁっ、美優……良いから。もう良いから、……」
「いや。もっと……全部……私の見てないとこがある、なんて……いや……」
「っ、美優……っ」
美優はなつみを組み敷いた。シースルーのフリルの肌着も、下半身をくるむものも、一糸残らず除いていった。
美優と同じ、否、美優より遥かに美しい裸体の女が、苦悶に目を細めていた。
「この世に存在しているものは、何だって綺麗なんでしょう……」
「美優……」
「なつみが自分で言ったこと、例外なんて認めさせない」
「…………」
「なつみはモテるし、才能あるし、……きっと一人でだって生きていける。でも本当に一人になっちゃダメ」
「──……」
「誰にも言えないで、ずっと……一人で頑張ってきたんでしょ。なつみは優しいから、……こんな私に声をかけるくらいの人だから、あの人のことも見捨てられなかったんだと思う。でも、……間違ってる。なつみのお母さんも、貴女は全然悪くない」
「美優、……ぁっ」
「生まれてきちゃいけない人なんていない。そんなの誰にも決められる権利ない。誰にも頼っちゃいけないなんて、考えないで。……私は、なつみのものだよ。貴女以上に信じられるもの、貴女が私から奪ったんだよ。だからなつみも、言葉で私を信じられないなら、私の身体も、なつみと同じようにして。……」
美優は潤みに舌を伸ばして、頑なな身体をほぐしていった。
赤い皮膜は少し触れただけで血の匂いが遠くに霞む。
美優は、躊躇わなかった。
相手を思い遣るのが愛なら、相手を欲するのは酷愛。愛を凌ぐ欲望が、美優になつみを貫かせた。
なつみの味をまとった指は、舐めてしまうのももったいない。
美優は、高級なキャンディでも味わう心地で、時間をかけて指を拭った。