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セルフヌード
第6章 最愛
「それが人にものを頼む態度?」
広栄の顔に愉悦が光った。
「…………」
なつみは桜柄のチュニックを床に落として、ジーンズのファスナーを下ろしてゆく。
二ヶ月と少し振りに袖を通したこの洋服は、美優に初めて会った時のものだった。
美優の匂いを洗い落とした肉叢は、シャワーを含んだスポンジさえ障っていた。
「薬を……やわらげて下さい」
なつみは広栄に跪く。
総子にさんざっぱら会うことを戒められていた女の足が、なつみのおとがいを持ち上げる。
「私のいやらしい身体から、体液をかき出して下さい。彼女の分まで……お礼させていただきます……」
たくさんの女を取っ替え引っ替えしていた時期は、広栄に自ら跪くこともなかった。
濡らし続けていなければ、すぐに使い物にならなくなる肉体。
命が惜しくて女と寝たことはなきにせよ、美優に逢って、この肉体もきっと今の方が大事にしていた。