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セルフヌード
第7章 喪失という残酷
美優をくるんだ寝具に何かが覆い被さった。
長いだけのとるに足りない一日が終わった。ようやっと眠りにつけるはずのところだった美優の精神を、不可視の夾雑物がなじる。
「…………。…──良くん?」
良が掛け布団ごと美優を抱き締めていた。学生時分の面影を残した顔に、悪戯な愛嬌が貼りついていた。
「何──…んんっ?!」
良の唇が美優を塞いだ。
条件反射的に目蓋を閉じるも、美優の意識はいよいよ夢の世界に焦がれる。
「はぁっ、……」
「美優……」
掛け布団に良が潜り込む。
狭いシングルベッドに大人が二人、良の腕は美優の身体を難なく捕らえた。
「ゃっ……ダメ……」
肉厚の手のひらが美優の乳房を揉みしだき出す。下弦の月のごとくすぼんだ良の目が、美優に淫靡なものを求める。
眠りたがる美優の寝間着が、力ずくたくし上げられていった。
じかに他人の指を感じた美優の皮膚が、生理的な電流に飛び上がり、劣情をきたした男の空想をかき立てた。
「良いだろ?美優……」
「良くん、ほんとに……ほんとにやめて……」
美優は良の胸を押し返す。