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セルフヌード
第7章 喪失という残酷
しばらく植物の写真が続いた。
突然、見開きの色が変わった。
月明かりに照らされた少女。
再び美優に戦慄が走る。
少女は窓辺に吊り上げられていた。明暗にぼけた女の潤みに、玩具が沈めこまれてある。白い肉叢を花のクリップが飾り、強烈な光が少女の健全な部位だけを美しく照らし出す。
「…………」
美優は、ページをめくってゆく。どのページも覚えのある光景、色彩、ドラマで埋め尽くしてあった。
生クリームにまみれて嬌音を奏でる少女、夜の公園、極上に秘めやかなスイートルーム、月から注ぐ銀の雨、…………──お菓子の家。
最後のページに至った瞬間、美優を桎梏していた何かが外れた。
「っ…………」
そのページだけ、異色だった。
『少女crater』のどこかしらを切り取ってきたかのようなカットだ。
ただし、傷だらけの少女の秘境を守るのは、白銀よりまばゆい光だ。