この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
セルフヌード
第2章 美しさという暴力
「細いね。……ちゃんと食べてる?ひとみ、あったかい。可愛いよ。綺麗だ……そそられる、……」
「ぁっん、はぁっ……なつみさん、こそ、はぁ……あっあぁぁ……」
急ぐ必要はない。夜は長い。
だのにひとみはみるみる下着だけの姿になった。
仮にも人形だった女だ。
暗闇をぼかす断片が、昨日発情期の友人達を呪っていた類の衝動を、なつみ自身に植えつけた。
「んっ……はぁっ、んっん……」
「ひとみ、……」
ちゅっ、じゅるっ、ちゅっ、ちゅ…………
シーツと肉叢のこすれる音が、甘水に浸したノイズにふやける。
なつみはひとみの身体中にキスを散らして、フレキシブルなでこぼこを分解せんばかりにまさぐる。どろどろにとけた皮膜を開く。
「綺麗だね……ひとみ、いつからこんなに濡らしてたの。……良いの?ここ、…──ここだっけ?弱いよね、……」
「ぁっああっ……」
ぴくぴくぴくっっっ…………
かくも濡れながら水をなくした魚のように、ひとみの身体が寝具と宙とを行き来した。
なつみはひとみの体内を掬った指を抜いて、白い貝殻を包んだ唇をめくる。愛らしい舌が自ら流した愛液を啜る。
「ぁむっ……ん……っ」
足りない。全然。
これがホールケーキであれば、まだ満月は一日として時を費やしていない。