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セルフヌード
第8章 *最終章*セルフヌード



 美優は、一糸まとわぬ姿を窓辺のソファに投げ出した。


 極彩色の蝶を飾った荊が美優を捕らえた。乳房を盛り上げ、腹に巻きつき、女の割れ目に食い込んだ。

 蝶はクリップだ。美優の肢体のあちらこちらを啄ばんで、クリトリスを扇情した。



「『記憶』の鷲のカットのとこ、初めはこっちを使おうかって悩んだんだ」

「はぁっ、……」

「やっぱ可愛すぎたな。美優は似合う。……良かった。今朝のブログ、乳首勃ってなかったから不感症にでもなっちゃったのかと思った」

「ひぅっ」


 くにゅくにゅ…………


 皺くちゃの乳輪に聳えるコットンパールが、なつみの指の腹の下で、ぷくぅっと硬くなってゆく。


「いやらしい顔。……誰ともヤッてなくても、一人でヤッてたりしたでしょ」

「そんなわけ、っ……ないじゃない、……」

「怪しーい」


 なつみが美優にカメラを向けた。


 懐かしいレンズの愛撫が美優を這う。


 左腕を肘掛に、右を天井に吊られた美優は、隠すべきところを隠す手立てをなくしていた。


 触れるや余すとこなく快楽のつぼに変えうる指が、慣れた調子でシャッターを切る。

 最初の一枚を発端に、カメラは間断なく美優を絵にとりこめていった。
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