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セルフヌード
第8章 *最終章*セルフヌード
「ごめんね、送らせちゃって。車まで売られた後だったから、……今度買う時は、美優に選んでもらおっかな」
「──……」
「メールする」
「うん」
「休憩時間、電話して良い?」
「うん、……」
喉元まで出かけた言葉を、美優は結局、押し戻した。
「お仕事、頑張って。また雑誌買う」
じゃあ、と、美優は咲希を連れて踵を返した。
線引きをして、さんざん自分を責めたのに、また同じことを繰り返している。
分かっていても、こうするより他に分別をつける術を知らない。
なつみの負担にならないよう、良を傷つけないように、美優は母親として生きていく。…………
「待って美優!」
なつみの声が、美優の重たい足を止めた。