この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
セルフヌード
第8章 *最終章*セルフヌード
「美優のこと、怒らせて泣かせてばかりだし、……今更って思うよね。生活も不規則で、良くんみたいに決まった休みもとれない。ついでにモテるし、可愛くて愛想も良いし、不安にさせるかも知れないけど、……」
「──……」
「幸せにする。誰より美優を大事にする。愛してる」
…──美優を。
「もう絶対離れない。離さない。……分かったんだ。血の繋がりなんか関係なかった。美優と一晩過ごして…──ってか、過ごさなくても同じこと言うつもりでいたけど、……」
「…………」
「育ての父親も、こんな気持ちだったのかなって。もう会うこともないだろうけど、十五年あの人が私に何にも言わないで、ほんとの家族みたいにしていてくれたの……思い出しちゃった」
…──本当は、良くんが羨ましかった。美優が美人を妬んでいた以上に、ずっと美優が欲しかった。
「……美優が私のわがままで産んでくれた、咲希のことも、二人で幸せにしてあげよ」
「…………」