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セルフヌード
第8章 *最終章*セルフヌード
「美優、咲希のこと好きになったね」
「そう?」
「一人前に、お母さんって感じ」
「──……」
なつみに再会したあの夜からだ。
なけなしの美優の母性も、少しは眠りから覚めたのだろう。
「あ、そうだ、なつみ」
「何?」
「明後日ね、かおりと約束なの。ごめん」
「ああ、良いよ。私もごめんね、この間はせっかくお休み合ったのに」
「ううん」
「ってか、守山さんとりの呼んで、いっそ今度四人で遊ばない?」
「賛成!かおりも喜ぶと思う」
「りのの前ではイチャつけないけどね。彼氏、まだ当分は服役中だから」
「そっか、……大変だね」
「美優」
なつみが寝台に場所を移した。
シーツにくるまっていた美優の鼻をブーケの匂いが掠めた。
しとりを残した黒髪が、優しい手のひらの重みに疼く。