この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
セルフヌード
第2章 美しさという暴力






 なつみが車を停めたのは、ある駐車場の一角だ。

 美優はなつみに手をとられ、縦に長い豆腐型の建物の脇を昇った。


「花蓮いる?」

「おっ、なつみー!」


 白熱灯のぼやけた明滅の中に並んでいた、二つの扉の一方から、女が一人飛び出してきた。

 オールバックの前髪に、後頭部でまとめたスパイラルパーマの髪。ショッキングピンクのカットソーにレギンスという格好が、女の細身をいやが上にも強調していた。


「セフレ?」

「いきなりそういうこと言う?人聞き悪いじゃん。あ、違うからね、みゆさん。私そういう人じゃないから」


 …………思いっきりそういう人だと思っていました。


 片手を痛いくらい繋がれて、美優はなつみの同情を誘いたがらんばかりの顔を睨んだ。


「ごめんごめん。この間もみほちゃんの担当をしてね、どっちがなつみと多く寝たかって、ゆかちゃんと喧嘩になったんだって私に愚──…」

「もう黙って今日だけは黙って。……花蓮?二人は妄想にとり憑かれたの私は無罪」

 なつみの人差し指の腹が、昼夜をわきまえない女の唇に封を被せた。


「彼女は、小木曾美優さん。多分、家も近所」

 美優は肩を押し出されながら、なつみに振り向く。

「なつみ、嘘──」

「ほんとほんと。みゆさん気付かなかった?あ、こちら、木之原花蓮(きのはらかれん)ね。スタイリスト」

「…………」

「そういうことだから、花蓮。美優さんのお化粧頼むわ。美人に憧れている可哀想な人なんだ。それは私には敵わないかもだけど、こんなに可愛いのにね」

「分かった。美人に憧れている可哀想な人ね。……美優さん、任せて下さい。なつみは性格に問題あるけど、貴女なら少し手を加えれば、こんなタラシよりずっとイイ女になります」

「花蓮ひと言多いー」

「…………」



 美優は、なつみの聞き捨てならない言動に、自失しなくなっていた。

 昨日は、些細なところでも腹を立てていたのに。
/269ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ