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セルフヌード
第2章 美しさという暴力




 自然公園は土曜日らしく、賑やかな家族連れが目立つ。

 これだけの人混みの中にいて、切り取られた世界の断片に、たった二人閉じこもっている──…若気の錯覚に酔った風なカップル達も、ちらほら見られた。


「綺麗……。ここ、さっきから思っていたんだ、空気美味しいわね」

「田舎だしね。涼しいでしょ。寒くない?」

「っ、……」

 美優の呼吸が逆流した。

 なつみの腕が腰をさらい、美優を引き寄せたのだ。

 彼女のまとうものが美優にまとう。草花でさえ完全に春を迎えていないというのに、美優は極上に優しい春風に纏縛される。

 儚く、強く、綺麗な春風。

 ほっとする反面、息が出来なくなる。



「…………。人前よ。はしたない」

「どうせ皆、自分の世界に入ってる」

「…………」



 美優には配偶者がいる。なつみは女だ。

 おりふし美優は自分自身に言い聞かせる。言い聞かせながら、なつみの腕から抜け出せなかった。
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