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セルフヌード
第2章 美しさという暴力
「ぁっ……ああっ……良くん……」
美優は良の頼もしい愛撫が総身を這ってゆくのに恍惚として、脚の間から広がるしとりに顔を歪める。
良のはにかむ手のひらが、美優の浮沈する乳房をしごく。指先が、美優の顔色を伺いながら、乳首を労う。
「あんっ……あんっあん……」
美優は枕にもつれた黒髪をすりつける。
良の愛撫が、キスが、期待にたわむ細君の肢体をシーツに縫いつけてゆく。
男の手のひらが太ももを彷徨う。下腹を男の唇が伝う。
なつみに感じなかったもの。
夕まぐれの妖凄な情事と、今の道徳に準じた交尾。
一日に得た呼び水の、相異なる点を突き止められるだけの正気は、消散した後だった。
「可愛いよ。美優。……今日は、特に、可愛い声で鳴くんだな」
「ゃっ……良くん、こそぉ……あんっあぁんっ!……優しくて、カッコイイよぉ……あああっ……」
そう。優しいのだ。格好良い。
美優を愛し、愛情という本能を覚えさせた良だけが、無二の悦びをもたらす。女からでは得られないものが備わっている。