この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
セルフヌード
第3章 愛玩



「それって、私がひがみ屋みたいじゃない」

「実際、みーこは、頭も顔も平均的な、この私が大好きでしょう」

「自分のこと、そんな風に言っちゃダメ……」

「みーこだって言ってなかった?恋して変わったのかな。お化粧だって、……コスメ変えた?良先輩とますますお熱くなってるようで」

 美優は手提げ袋を受け取りながら、はるこの冷やかしに笑ってあしらう。


 モデル達より、本当は、彼女らを収めたカメラマンこそ美しい。


 さっきから喉元に湧き上がってくる反駁を胸裏に押しこみ、美優は落ち着かない胸を諌める。重みを増したトートバッグを持ち直す。

「はるこ、お化粧って、ちょっと研究すると楽しいと思う。私はること久し振りにゆっくり会いたいって思ってたんだ。今度一緒に見に行かない?」

「ほんとに大丈夫?熱、ない?」

「ひどいっ。はるこは私より元が良いから、もったいないと思って言ってるだけなのに!」

「みーこ本当に心配……。うーん、みーこは、可愛いよ。でも私は年相応に年をとっているし、ここに手を加えても」

 美優は額に伸びてきた片手をかわして、机にも向かわないで自分は出来ないと匙を投げる、学童を咎める教師の目つきではるこを睨む。

 毛先の曲がったボブの黒髪に、気立ての良い身性の滲み出た目許。丸い鼻先に頰は下目蓋を押し上げるほどふくよかだが、はるこの場合はそれが愛嬌になっている。背丈は美優より十センチは高い。洋服の選び方次第でもっと魅力的になるのに、と、改めて見れば見るほど惜しくなる。


「村山さーん、◯◯社の『テンペスト』、ストックありましたっけー?」

「あ、はいっ。……ごめんみーこ、今度お茶しよ。また連絡する。お化粧は付き合わないけどね」

 はるこの指が美優の前髪を小突いた。


 美優は心地好い重みを孕んだトートバッグの持ち手を握って、雑踏に出た。
/269ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ