この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
セルフヌード
第3章 愛玩
なつみの腕が離れていった。
果てなかったようなぬくもりが、美優を纏縛からとく。
「……、……」
「下着だと、風邪ひくよ。待ってるから、ゆっくり入ってきて」
「──……。あっ、……」
なつみの消えた扉が閉まった。
一人、取り残されるとは思わなかった。
美優のシャワーを浴びているはずの総身が、温度を奪われてゆく。
生のハーブを浮かべた湯船に浸かりながら、欲しくなるのはなつみの口づけ、彼女の抱擁。良人の眼差しも、指先も、美優を踊らせてきた分身も、記憶が求めようとしない。掠めても、夾雑物としてすぐに消える。
浴室を出ると真新しい下着と洋服が畳んであった。
「お帰りー。わぁっ、美優やっぱりそういうの似合う!私には敵わないけど、可愛ーいっ。ね、それならエロくもないんだし、撮らせてよ」
「──……」
なつみの声は、いたいけな若芽を打つ雨だ。美優を人形のように労わって、人形のようにいたぶる。
「……帰る」
「え、……」
「っ…………」
「美優っ?!」
ポールハンガーからバッグをひったくり、足早に玄関へ突き進む。